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【飢きん発生の瀬戸際に立つイエメン】サウジ主導の連合軍に支援物資を乗せた船の入港を阻止され、子どもが犠牲になっているとセーブ・ザ・チルドレンが発表
4万人分の医薬品や医療品2トンのセーブ・ザ・チルドレンの支援物資を乗せた貨物船は、昨年12月初旬にイエメン最大の港ホデイダ沖合で入港を阻まれ、別の港を使うことを余儀なくされました。約3か月後の2月下旬にこの貨物船はアラビア半島南端のアデン港へ到着しましたが、アデン港から活動地までの陸路による緊急物資の移送は、頻繁に戦闘が起きている地域を通らねばならない危険なものでした。
今年に入ってからも、2月までにセーブ・ザ・チルドレンの救命医薬品などを乗せた海路の貨物輸送が3度もホデイダ港への入港を阻止され、支援物資の到着が3ヶ月遅れています。この3つの積み荷には、抗生物質や手術のための医療機器、マラリアやコレラなどの感染症の治療薬、栄養不良の子どもたちの治療のための物資など、30万人分の医療支援物資が積まれており、セーブ・ザ・チルドレンが支援する保健医療施設51ヶ所の運営に支障が出たほか、医療サービスが受けられない地方へ医療を届ける移動診療チームが出動できない状態になりました。
イエメン事務所暫定代表のグラント・プリチャードは、「物資の遅れは、子どもたちにとって致命的です。私たちは、コレラの流行や、下痢、はしか、マラリア、栄養不良に苦しむ子どもたちに対応しています。適切な薬さえあれば、すべて治療が可能な疾患です。しかし、連合軍は、支援物資や商業品などの運搬を阻止することを、戦略としているのです」と訴えます。
イエメンは、人道支援物資や燃料、小麦供給の90%を含む食料をホデイダ港からの輸入に頼っていますが、2015年8月の空爆によりクレーン5基が破壊されたために港の機能は低下し、その後激化する戦闘により迅速な荷降ろしができないため、船は沖合で足止めされるようになりました。 ホデイダ港における荷卸し作業の効率を向上させるために、国連WFPが新たに支給したクレーン4基の使用も、連合軍は阻止しています。現在は、沖合で数週間待っても港での荷卸しができる保証はないことから、ホデイダへの運航を引き受ける海運業者を見つけるのが難しくなっています。
「数百万もの人々が飢えに直面しているにも関わらず、イエメン最大の港が事実上閉鎖されているなどということが、許されるはずがありません」(グラント・プリチャード)
イエメンでは、700万人が深刻な食料不足に直面しています。5歳未満の子ども200万人以上が、急性栄養不良の状態にあり、そのうち50万近くの子どもは、極限状態で命の危険にさらされています。ホデイダを含む9地域は、国連の専門組織による総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)において、飢きん発生の瀬戸際にあるとされています。
イエメンにある22県のうち16県では、保健医療施設の半数以上が閉鎖あるいは、紛争の影響により部分的にしか機能しておらず、子ども810万人、大人670万人以上が、基礎的保健医療サービスを受けられない状態です。
<セーブ・ザ・チルドレン概要>
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる、育つ、守られる、参加する、「子どもの権利」が実現されている世界を目指して活動する子ども支援の国際NGOです。1919年に英国で設立され、現在、日本を含む29の国と地域の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で子ども支援活動を展開しています。
http://www.savechildren.or.jp/
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