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HIV患者の生活と服薬継続に関するアンケート調査結果発表
-HIV陽性者の生活と服薬
~飲み忘れへの不安と日常生活を継続するための
努力と工夫が明らかに~
「生活と服薬継続に関するアンケート調査」より
ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ブルース・グッドウィン、以下、「ヤンセン」)は、HIV陽性者を対象に、「生活と服薬継続に関する調査」を実施いたしました。その結果、78%の人が服薬を問題なく継続していると答えた半面、毎日の服薬に「負担を感じる」と答えた人が半数近くにのぼりました。そうした中で、薬を飲み続けるためには、治療効果だけでなく、社会生活維持への強い意向などの動機と飲み忘れないための努力や工夫などが明らかにされました。
エイズウイルスが発見された約30年前には、死に至る病と言われていたHIV/AIDSですが、現在、HIV感染症は、定期的な受診と適切な服薬継続により長期にわたり日常生活を続けることが可能になってきており、今や慢性疾患となりつつあります。
今回の調査は、HIV感染症の治療において、服薬を継続することの重要性*がますます高くなっている中、HIV陽性者がどのように、毎日服薬しているのかをさぐるべく、服薬の実態や気持ち、服薬の継続が社会生活や日常の暮らしに与えるインパクトなどを特定非営利活動法人 ぷれいす東京の協力を得て実施しました。
*服薬遵守率と薬剤耐性ウイルスができた人の比率 Paterson DL,et al., Ann Intern Med.133:21-30,2000
この調査結果は、第26回エイズ学会学術集会・総会にて発表*されたものです。
*共催セミナー6 服薬の達人への道~陽性者アンケートから見えてくる長期服薬支援のポイント
この調査結果を受け、都立駒込病院 今村先生からは、次のようなコメントをいただいています。「HIV陽性者による服薬への日々の努力があったからこそ、現在の予後改善があります。
今後は、より安心して長期治療を続けられる医療や社会環境を整えていかなければならないと思っています。」また、ぷれいす東京 生島代表からは、「HIV感染症は、早めに感染に気づけば、これまでの生活を長期に継続することが可能になりました。しかし、社会や市民の情報更新は遅れています。こうした社会環境により、人々はこの病気と向き合うことが難しくなっています。」のようなコメントをいただいています。
主な調査結果:
●初めて抗HIV薬を見たときの印象は?
服用を開始する際に多くの患者さんが「これからずっと飲み続けられるだろうか」と不安に思ったことの裏付けとして、76%の人が、初めて抗HIV薬を見たときに違和感を覚え、特に薬剤の「大きさ」に86%、「色」に65%の人が違和感を覚えたと答えています。
●薬の選択で最も重視したポイントは?
治療開始時には、まず、医師と薬の選択について決定することが必要になります。その際のポイントとしては、服薬回数、副作用、薬を飲む場所や時間がかかわってきますので、自分のライフスタイルを考えながら決定することが重要です。そこで、回答者に薬の選択に際して、重視していた項目を聞いたところ、「1日の服薬回数」が53%となり、次いで、「治療の効果」42%、「服薬開始時の身体への影響(副作用など)」31%という回答が得られました。
●服薬を続けることに対する負担感は?
服薬している回答者の8割近くが「問題なく」飲めていると答えている一方、95%を超えて飲めている人でもそのうちの41%が負担を「とても感じる」または「やや感じる」と答え、95%以下の人では52%の人が負担を感じています。このことから、決して負担感なく服用しているのではないことがわかります。
●なぜ飲み続けられるのか?その動機は?
では、飲み続けようとする動機はどこにあるのでしょうか?「検査値(CD4やウイルス量)などの維持や改善のため」(93%)「体調の維持や改善」(92%)に続くのが、「仕事・学校・学習が続けられる」(71%)「友人との交流・サークル活動が続けられる」(71%)となっており、治療効果の次に、社会生活を継続したい意向が動機となっていることがわかりました。
●飲み忘れないための工夫は?
飲み続ける気持ちと飲み忘れない工夫は切り離せない関係にあります。回答者の中で工夫している飲み忘れ防止のための工夫の一つには、ピルケースがあげられ、70%以上の人が抗HIV薬を携帯するために、利用していました。なお、下記には、飲み忘れの原因と工夫をあげました。
飲み忘れの原因(抜粋)
お酒を飲んでいて忘れる(楽しさ、酔い、接待中でタイミングがつかめない、など)
多忙や残業に紛れて飲み忘れる
人目を気にして飲めなかった
携帯し忘れた
うっかりしていた
毎日のことなので飲んだかどうか分からなくなる
飲み忘れの工夫(抜粋)
携帯電話のアラームやメール機能を活用
目のつきやすいところに薬を置いておく
ド―ズパック(薬局で分包してもらう)を利用(日付もいれてもらう)
飲んだ記録を手帳やカレンダー、携帯、自作の服薬管理表などにチェックをつける
調査概要:
服薬アドヒアランス、社会生活・日常生活に与えるインパクト、陽性者と医療従事者とのギャップの有無・内容、服薬状況の現状と充足されていないニーズについて明らかする
調査方法 質的調査及び量的調査:対面インタビュー および調査用紙によるアンケート
調査機関 2012年4月(質的調査) 2012年7~8月(量的調査)
調査協力 ぷれいす東京など
アンケート回収数: 質的調査 20名 量的調査 151名(坑HIV薬を飲んだことがあるとの回答 144名)
アンケート回答者概要
●男性が95%、30~40歳代で73%
●陽性と判明してから平均7.2年(1985-2012年)
●現在服薬継続中で問題のない人が78%
●HIV陽性判明のきっかけは「自分で検査を受けた」が41%
●通院は月一回または2カ月に1回が72%
●関東56%、関西22%に居住している
●62%の人は就労している
●58%が一人暮らし
以上
我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、中枢神経疾患、疼痛、感染症が含まれます。患者さんへの貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ヤンセンファーマシューティカルカンパニーズのひとつです。
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